バスの春を学術的に紐解いてみる。
お久しぶりです、isseiフィールドモニターになりましたヤマモトです、今後ともよろしくお願い致します。
春バス、釣れてますか?
春エリアでヤバクネミドスト、キャラメルウエイテッドで60upが釣れており、順調な滑り出しとなってます。
さて今回は春バス、についてのお話。
水温が○○℃だから釣れる?
それを否定して行こうかと。
魚類生理学、魚類行動学の面から着目していきます。
まず僕のニュアンスとしての生理学、行動学とは?
生理学・・・「生命現象を物理的 ・化学的手法によって研究する生物学の一分野、狭義には物理的方法による部門の生物物理学をさす。」(小学館国語大辞典)
行動学・・・「動物行動学(どうぶつこうどうがく、英: ethology)は、生物の行動を研究する生物学の一分野。」(Wikipedia)
ざっくり言うと生理学=化学反応、行動学=生物の行動、です。
バスの話に戻します。
冬が終わり春が訪れると産卵の為にシャローに接岸します←これが行動。
産卵、孵化←これが生理現象。
で、更に水温の話に戻します。
変温動物の孵化には有効積算温度、と言うものが存在します。http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/tech_repo/fe07/fishandegg108_p01-02.pdf
例えば有効積算温度が250℃の魚が居たとします。この魚は累積の温度が250℃に達すると孵化します。つまり25℃なら10日、10℃なら25日で孵化します(有効温度は無視します。)
つまり、温かい水であれば早く孵化できる、と言うのが変温動物の孵化のルールです。
孵化は水温が必要なキーであることは間違い無いですね。
しかし、四季のある日本は春と秋で同じ温度を記録します。
春に産卵するバスが秋に産卵してしまえば、その稚魚は冬を越すことができません。(一部秋に産みますけど例外はスルーで)
そこで産卵や接岸などの行動で制御するのです。
水温のみをあてに出来ないとなれば行動は他の因子も作用するはずです。
バスの接岸を他魚種の遡上に重ね合わせていくつか例を出してみましょう。
アユ・・・水温,光,水深,個体数密度,空腹度および内的リズムによって影響される。(塚本勝巳(1988):アユの回遊メカニズムと行動特性)
サケ・・・流量の増減によって遡上行動が影響される。(真山 紘・高橋敏正(1977):サケ・マス親魚の生態調査- I 千歳川におけるサケ親魚のそ上活動の日周活動)
で、更に魚類は季節変化を日照時間で感知しているという論文もある。
多くの有顎魚類の視床下部の脳室周囲器官である血管嚢が日照時間の季節変化を感知するセンサーとして働いている。(The saccus vasculosus of fish is a sensor of seasonal changes in day length)
このような論文から季節変化の感知、それによる行動決定は決まった温度では無い、と考えられます。
ここからは個人的な体験や感想です。
プリスポーンのバスって全国的に2月後半から釣れ出しませんか?温暖な地域、寒冷な地域関わらずです。
日照時間や水温変化等の因子がバスの行動決定を行なってるんじゃ無いか、と思います。
SNSを見る限り、また実際釣りをしてみた限りそう感じます。で、温暖な地域ほどネストを張るのが早いしアフターに移行するのも早い。
つまり結論としては
プリスポーンの接岸=日照時間や水温変化、ミッドスポーン、アフタースポーンへの移行=決まった水温
これが僕の結論です。
しかし、変温動物である魚の活性が水温に左右されるのも事実で釣れる、釣れないは一概には言えません。
全国の皆さんに持論や体験をお聞きしたいのでSNS等へのコメント有れば幸いです。
では、ご愛読ありがとうございます。